家と言えば、多くの家は住み心地の良さのために、シンプルな家を建てることが多いでしょう。ですが、時には他の家と同じような空間になってしまい、家の個性を失うこともあるでしょう。また個性的だからと言って、住み心地が悪いとは限りません。そこで紹介したいのは、個性的で住み心地の良い家。そこには他の家には無いような特別な空間が生み出されています。
家の中に広がるのは印象的な空間。例えば、キッチンとダイニングルームのある空間は濃い茶色で覆われています。床は木のフローリング、そして壁は濃い茶色の木の板で覆い尽くされています。そのため、ここでの印象は決して明るいものではありません。ですが、ただ薄暗い空間になっているわけではなく、天井に取り付けられた照明が部屋を照らし出して独特な雰囲気を生み出しています。そして家の中でも住まいの個性を強く感じさせてくれるでしょう。
このような建物ではスキップフロアという構造が用いられています。それは中の空間を階によって区切るのではなく、小さなフロアを短い階段で繋げて高低差を作り出しています。そのため空間は区切られることなく緩やかな繋がりを持つことにもなります。そのため家の中には一般的な住まいとは違った空間が生まれることにもなり、一層個性を強く感じさせてくれるのです。
キッチンやダイニングでは濃い茶色の木材が部屋を覆っていますが、家の中の全てが同じ雰囲気となっているわけではありません。場所によっては壁の一部を鮮やかなタイルで覆われているところがあります。また明るい色の木材を使って、濃い色の木材とは対照的な印象を与えています。こうした異なる素材や色を使うことで、飽きのこない空間が生み出されているのです。
このような強い個性を持つ本住宅ですが、今回建物の依頼主との繋がりを生み出しています。なぜなら依頼主自らが、住まいの天井や壁の一部を塗装しているからです。こうして直接家づくりに携わることで、そこに住む依頼主と住まいとの関係は密接なものとなるのです。そして、ただ住むだけでなく、自分たちで空間を作り関われる特別な住まいとなるのです。