玄関アプローチとは、前面道路から門を通って玄関までつながる通路のことを指しますが、この通路をどのように計画していくかによって、家の外観の印象も変わってくることはもちろんのこと、利便性や防犯性といった機能面にも大きく影響してきます。そこで今回は、玄関アプローチを計画していく上で押さえておきたいポイントを紹介していきたいと思います。家の中だけでなく、家の周囲の計画についてもこだわっていきましょう!
玄関アプローチの計画では、まずそれをどこにどのように配置するかというプランニングを検討すると思います。そこでは、当然玄関アプローチだけでなく、駐車スペースや植栽、さらには建物の配置と合わせて計画していくことになりますが、その時にスペースを有効に使うために、門から玄関まで直線で結ぶのではなく、曲線のある通路としたり、敷石をジグザグに置くなど、アプローチを歩くことに楽しみがもたらされるような余裕のあるプランニングを心掛けていきましょう。
写真:御代田の家 外観
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効率性にこだわるのではなく、余裕のあるアプローチにデザインしていくことは大切なポイントですが、歩きやすさや荷物の持ち運びのしやすさなど使いやすさも当然考慮していきましょう。特に、高齢者や車椅子、ベビーカーや小さな子どもなど、誰もが安全に使っていけるアプローチにしていくことを念頭に置きながら計画していくといいでしょう。玄関まで段差をまたがずに行けるようにスロープを設置したり、車椅子等でも通りやすいように道幅を大きくとるなどの工夫をしてみて下さい。
通路の床面あるいは地面についても、その素材や工夫によって転んだり滑ったりしにくい安全な玄関アプローチにしていきましょう。床材としては、コンクリートや石、タイルなどが用いられることが一般的ですが、雨で濡れても滑りにくい素材を選んだり、石やタイルの大きさや配置を工夫しながら、歩きやすいものにしていきましょう。また、アプローチ部分に水がすぐに貯まらないように勾配を付けるなどの工夫もしてみて下さい。
玄関アプローチは、家族だけでなく、他人も利用するような比較的開かれた空間です。そのため、場合によっては、門から玄関へ行くまでに家の中が見えてしまうようなことも起こり得ます。そうしたことからも、玄関アプローチの配置や家の間取りを工夫しながら、アプローチからリビングあるいは浴室が丸見えになってしまうことがないようにしていきましょう。どうしてもそうしたことが避けられない場合は、植栽やパーティションなどで視線が遮られるような工夫をしてみて下さい。
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玄関アプローチの計画で忘れてはならないのが、夜間に通路を照らす照明です。これは、夜の暗闇の中でも足元を明るく照らし、安全に通路を歩ける役割もありますし、防犯対策の役割も果たしてくれます。センサー付きの照明になるとより効果的でしょう。もちろん、そうした実用性だけでなく、玄関アプローチをおしゃれに照らすような演出も考えながら計画していくことも心掛けていきましょう。