日本庭園のある和風の家で四季を楽しむ

今後100年を見据えて・・江戸末期古民家屋敷再生, 環アソシエイツ・高岸設計室 環アソシエイツ・高岸設計室 Garden Pond
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日本庭園のある和風の家は日本のみならず海外でも人気が絶えません。日本庭園と聞くと大半の方は寺院を思い浮かべますが、和庭は一般住宅でも採用でき、建物と庭を一つの作品として造り上げたその風格のある佇まいは、他の家の外構と大きく差をつけることができます。今回は、そんな和風の家と和庭を美しく作り上げるポイントをご紹介します。

春夏秋冬を望む回遊式日本庭園の美

日本庭園の中で、最もポピュラーな様式は「廻遊式庭園」です。廻遊式庭園とは、回遊して楽しむ庭のことです。敷地に入ってから池や天然石が並べられている場所、または植栽が植えられているわきに通路が用意され、そこを歩きながら庭を観賞することができます。回遊式庭園を採用するには、広い土地が必要になりますが、小さな庭でこのスタイルを採用したい場合は、庭の通路を長めに取ると良いでしょう。例えば、敷地の入り口を玄関から遠ざるだけで、訪れた人に庭を見てもらうことができるようになります。こちらの環アソシエイツ・高岸設計室が手がける島原古民家の縁側から眺められる和庭の流れるような通路は、春夏秋冬と飽くことなく来客の目を楽しませるでしょう。

坪庭の美: 砂利を敷き詰めよう

有名な日本庭園のスタイルに「枯山水庭園」があります。枯山水とは、池水を用いずに石や砂などにより山水の風景を表現する手法です。水を使用しないことから、「枯」という文字が使用されています。 砂で描く模様は川の流れや水の波紋を表現しています。枯山水庭園を採用すれば、見ているだけで心が癒され、風情溢れる空間をいつまでも眺めることができます。こちらの有限会社TEAMWORKSが手がける京町屋を活かした舞双庵のように中庭や坪庭に砂利を敷き詰め枯山水庭園を楽しむことで、和庭の世界観が広がります。

夏の風情: 日本庭園とししおどし

日本庭園の定番、ししおどしを置いてみましょう。もともとししおどしは動物を追い払うために作られたものです。竹筒に水が入り、一定間隔で水の重みにより上がり下がりを繰り返します。厳密にはししおどしの中でも「添水」といい、他には、「かかし」や「鳴子」と呼ばれるものがあります。 鳴子は率いたとも呼ばれ、鳥を追い払うために音を出す道具のことです。 もともと鳥獣を追い払うための添水ですが、その音は風流で、日本の蒸し暑い夏の湿気を追い払うような涼しげな音が魅力的です。

シンボルツリーを決めよう

日本庭園を彩るためには、やはりシンボルツリーは欠かせません。枯山水の美しさに引けを取らない季節ごとの美しさを楽しむことができます。シンボルツリーとしては、こちらのようなマツやエゴノキ、ハナミズキ、ソヨゴなどが人気です。平林繁・環境建築研究所が手がける中庭のある家は、小さな坪庭ながらもシンボルツリーのマツとライトアップが和庭の雰囲気を演出し、時に幻想的で風情ある景色を室内から楽しむことができます。

飛び石を敷く

敷石を敷くだけで、ぐっと日本庭園らしさを演出できます。敷石は景観だけではなく、もともと歩きやすいように、雨が降っても足元がぬれないようにとの意図があります。また敷石があることで、その上を歩くよう誘導し、他の庭エリアにダメージを与えないようにすることができます。見た目にもリズムが生まれ和庭のアクセントになります。飛び石を敷くルートを和庭をイメージして考えましょう。縁側から池や手水鉢に向かうルートでもいいでしょう。直線に飛び石を打つのか、くねらせて打つのかを考えて、石の大きさと数を決めましょう。玄関近くでは、多少大きめの石を選ぶと、歩いたときに音がするので防犯効果もあります。

お風呂からお庭を望む

日本庭園は「室内から庭を望む」という用途で建築物と庭が一体化する様にデザインされます。和庭は、石や植栽などの自然のものを取り入れる技法で、天然の素材を使用するため、年月の経過と共にコケや木々の成長などを楽しむことができます。時の流れが庭を造り上げ、天候の違いや季節の移り変わりを楽しむことができます。そんな和庭の様子をお風呂場から楽しむことができれば贅沢ですね。

苔を植えよう

苔は目に見える和の緑の美しさと、静かな生命力を感じさせてくれます。広く一面に苔が敷き詰められた風景は、思わずため息がもれてしまうような美しさです。苔といっても、葉が長く伸びるもの、ビロードのように細かくて短いものと見た目の質感も様々で、その他にも日光を好むもの、日陰を好むもの、乾燥に強いか弱いか、広い面積に適したもの、ポイントで使うのに向いているものなど、日本庭園の自然条件に合わせて選ぶことが大切です。

石灯籠は?

石灯籠には、もともと茶会の発達とともに火を灯す用途、もしくは「神様がおのおのの宅地に遊びに来てくださる際の道しるべ」など、いくつかの意味があるといわれています。日本庭園が独特な様式を確立していくのに伴い、石灯籠も和庭用景物として様式が多様化していき様々なデザインが施されました。現代では、寺社仏閣だけでなく庭用として多く広まり和庭の雰囲気を演出してくれます。坪庭など、小さなお庭にアクセントとして置いてみてはどうでしょうか?

【伝統的な和のスペースついては、こちらの記事でも紹介しています】

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