災害に強い家づくりの心得

A.Imamura A.Imamura
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災害に強い家づくりとはどんなものでしょうか?これから新しい住まいを考える方にとって地震や台風などへの関心は大きいものだと思います。安心ある暮らしのことを何十年先まで考えて住まいづくりを始めることが大切です。今回は、そんな災害に強い家づくりの心得をご紹介していきます。

災害に強い家の形は?

災害に強い家の形は、「長方形」だといわれています。特に地震の揺れに強い構造はシンプルな長方形と言われており、この形は地震の強い力を均等に分散し強い力が一か所に集まるのを防ぐと考えられています。逆に凸凹が多いと一か所に揺れの力が集まり住まいに負荷がかかってしまいます。こちらの住まいは鹿児島市中心部に立つ住まい。桜島の降灰や台風の多さは鹿児島市民の悩みの一つでもありますが、こちらはシンプルな形と軒深い寄棟屋根で鹿児島の様々な自然条件から家族の暮らしをしっかりを守っています。

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写真:石井紀久 Blitz studio

災害時でも安心な家の外装選びは?

災害と家の外装材料も重要です。例えば、地震などの比較的弱いと言われるガレージや玄関部分のオーバーハング構造。上に建物があるのに真下の部分に柱や壁がないような構造は弱点となり倒壊・崩壊を招く危険性を持っていると言われていますが、一方で、ガレージ部分の開口部だけを鉄骨造にする、もしくは外壁や屋根を重い瓦ではなくコロニアルやガルバリウム鋼板などの軽量タイプを選ぶことで、階下への荷重がしっかりと抑えられます。こちらの住まいはオーバーハング構造ですが、四角いシンプルな構造と軽量なガルバリウム鋼板外壁でスタイリッシュなデザインの中にも安心感があります。

その土地の自然環境にあわせて

家づくりの際は、価格や利便性だけを重視せず様々な自然災害や土地の傾向やリスクを知ることが最善の方法です。こちらは90%は亜熱帯の原生林に覆われる西表島の住まい。西表島では台風対策として雨戸を閉めきりますが停電の際には閉め切られた暗く冷房もない中で数日間過ごすことを強いられることもあります。そこで、こちらの住まいは雨戸を用いない代わりに、大型台風にも耐えうる特殊な防風ネットを庇先端に取り付けることで飛散物から大きな開口部を守り、台風時でも採光と通風が確保できるように工夫されています。

【耐震住宅については、こちらの記事でも紹介しています】

制震住宅で地震に強い家に!その特徴とメリットまとめ

写真/中村絵

水害から新しいアイデアが生まれる

こちらの「ボートハウス」と名付けられた住まいは宮島の対岸に位置し、過去に台風時の高波による床下浸水の被害があった経緯があります。その経験から、こちらの住まいの床は地面より浮し設計されユニークな外観デザインに仕上がっています。カリバリウム鋼板のクールな外壁とは異なり、内装は床、壁しな合板で船底をイメージした温かみのある明るい室内が広がります。自然災害の中でも水害、特に床下浸水の除去には保険の適用がされない場合があります。家を浸水させないために事前に出来ることを準備しておりたり、リスクを計算して家を建てることは、長期的に暮らしに安全に繋がります。

住まいを建てる時は必ず地盤調査を!

新しく家を建てるためには地盤の強い土地を見極めることが重要になります。そこで活用できるのは国土交通省の「重ねるハザードマップ」です。洪水・土砂災害・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを地図や写真に自由に重ねて表示できます。それをもって家づくりをお願いするプロの建築家と一緒に相談すると良いでしょう。

火災報知器の設置でより日々の安心感を

台風や地震などの災害だけでなく、毎日の暮らしの中でも火災や漏電火災などのリスクがあります。マンションやアパートでは既に設置が義務付けられている住宅用火災警報器を戸建て住まいでも設置しておくとより安心感が高まります。感知器には、煙を感知するもの、熱を感知するもの、炎を感知するものなどがあります。興味のある場合は近辺の専門業者に相談してみると良いでしょう。

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