環境にも家計にもやさしい住まい!エネルギー効率の高い住宅にするには?

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
石神井の家 Pioggia e Sole, スタジオ・アーキファーム スタジオ・アーキファーム Houses
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一昔前までは、環境的な側面を重点にして住宅の効率的なエネルギーの活用方法が語られてきましたが、近年では環境的側面に加えて、住み心地の良さ、そして経済的なメリットについても重要視されてきています。というのも、長年に渡る研究や新たな技術の開発により、今では様々な方法でエネルギーを効率良く利用する住宅が可能となっているので、地域や住まい方にあったものを選べるようになってきているのです。そこで今回は、エネルギー効率の高い住宅にする方法を様々な観点から紹介していこうと思います。

緑化屋根

窓ガラスや壁についての断熱性能を高めるように、屋根の断熱についても考えましょう。もちろん、屋根の断熱材の厚みを大きくすることもできますが、屋根を緑化することにより緑と土の層で断熱することも1つの方法です。こちらの小栗建築設計室が手掛けた住宅のように、芝生を屋根に載せることで、冷暖房のエネルギー効率を向上させることができますし、緑の屋根の下で暮らしていくことで、日頃からエネルギーや環境について意識させてくれる住宅です。

雨水を使ったエネルギー効率の良い住宅

一年を通して雨が降る日本の気候では、当たり前のように水を蛇口から利用しますが、水を大切にするという観点から出来るだけ水道水を使わず雨水を利用してみましょう。こちらの有限会社 光設計が計画した住宅では、屋根に降った雨を2トンのタンクに貯めて、それを2つのトイレの流し水、夏季の屋根への散水、そして外壁を直射日光から守る緑のカーテンの散水に使っています。エネルギーというと電力ばかりに気が向きますが、是非こちらの住宅のように水にも注目して上手く利用してみて下さい。

日本の気候に適した和風住宅

長い年月をかけて日本の気候に適した住宅に創り上げられた伝統的な日本家屋。木材や土を使うことで湿気を調節し、夏の強い日差しを防ぐために深い軒になっていたりと、様々な知恵が日本家屋には見られます。ただ、気密性には不安が残るので、冬の寒さが厳しい地域では対策が必要です。日本家屋の良さと新しい技術をうまく融合して、より快適な住宅にしてみるといいかもしれません。

太陽光発電のエネルギー効率を高める

太陽光パネルを導入しながら、住宅のエネルギー効率を高めようという方も多いと思います。太陽光パネルを選ぶ時にみなさんが注目する1つに、太陽光を電気にどれくらい変換するかという変換効率があります。もちろんその値が高いほど発電効率が良いわけですが、夏の気温が高い時にパネルが高温になることでその発電効率が低下してしまうことをご存知でしょうか?それに対して、高温時の発電効率が低下しにくいパネルを選ぶことも1つの方法ですが、こちらの住宅にある太陽光パネルのように、貯水しておいた雨水をパネルに散水して、パネルの温度を下げるといったことも効果的です。

パッシブハウス

パッシブハウスとは、建物の断熱性や気密性の性能を高めて、出来るだけエネルギーを使用しない住み心地のいい建物にしていくという、1つの世界基準の省エネ住宅の考え方です。日本の気候下では、冬の寒さだけでなく、夏の強い日差しによる暑さにも対策が必要となります。こちらの住宅では、2階のリビングを取り囲む回廊を屋外に設置して、外側で太陽光を遮るパッシブデザインを取り入れています。また、高断熱・高気密の建物では、換気の方法も重要になりますが、こちらの住宅では、屋上へ上るペントハウスに高窓を設けて、夏の熱気を排出する工夫がなされています。

写真:吉田誠

ゼロエネルギーハウス

こちらは2000年にスイスに建てられた木材によるミニマルな外観が特徴のゼロエネルギーハウスです。日本でも2012年から補助金制度が設けられ、ゼロエネルギー住宅を建てる流れが加速しています。夏の日差しが強く、暑い期間も長い日本でも、様々な工夫でゼロエネルギーは可能ですので、是非環境にも経済的にもやさしいゼロエネルギーハウスを建ててみて下さい!

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