北欧風のインテリアが日本で広く取り入れられるようになって、かなり経ちます。ナチュラルテイストとポップなデザイン、機能的でスタイリッシュな家具などは、わたしたちの生活の中でもすでに馴染み深いものになっているのでは?こうした北欧デザインを取り入れたリビングは、その居心地の良さに定評があります。今回は、そんなスカンジナビア風の快適なリビングづくりについて考えていきます。ちょっとしたポイントを押さえて、アレンジを楽しんでみませんか?
リビングのインテリアを考えるときに、まず重視すべきはその快適さ。くつろぎの間としての役割を果たしてくれるように、家具やデコレーションにも気を配りたいものです。冬の長い北欧では、室内で心地よく過ごせるように、自然を感じるようなアイテムや明るい色合いを取り入れてカスタマイズされています。使い心地のよさを考え抜いたデザイン家具が多いのも、そうした背景によるもの。スカンジナビアスタイルのリビングづくりのためには、まずはナチュラルなものをベースとしていくとよいでしょう。こちらのお宅では、柔らかなグリーンが明るいウッディ調にマッチします。
何カ月もの間、日照がほとんどない日が続く北欧では、明るさはインテリアづくりにおいてとても大切なポイントです。内装の壁を真っ白にすることで、明るさが感じられる空間づくりが可能になります。白一色では寒々しく感じてしまいがち。それを彩るのがカラフルなテキスタイルです。こちらでは、カーテンとソファのクッションカバーに同じモチーフの布を取り入れることで、さりげなくアクセントとしています。
北欧インテリアでよく見かけるのが木を使った家具。リビングに取り入れる家具の色を同じ系統で合わせることによって、空間にまとまりが生まれて、落ち着ける空間に。こちらのお宅のリビングでは、階段と床、テーブルとテレビラックが近い色合いでまとめられているため、ちょっと単調に見えがち。そこに、部屋の片隅に明るい色のモビールを吊るすことで、ぐっとアーティスティックな雰囲気が高まります。
IKEAに行くと、驚くほどカラフルなインテリア小物や家具に出会うことがありますよね。ナチュラルテイストはもちろんのこと、ポップなカラーリングも北欧では人気です。真っ白な雪や氷に閉ざされた冬を経験すると、明るい色合いは春を待ちわびる気持ちと呼応するものなのかもしれません。新潟の建築家・dwarfの手によるこちらのリビングでは、木調をベースにしながらも、赤や青、緑などいろんな色が取り入れられており、気持ちまでも明るくなりそうです。
▶「住まいの写真」ページでは様々な種類のリビングを紹介しています◀
シンプルで機能的、使い勝手がよい、ということは、居心地の良さにつながります。こちらのお宅のリビングは、必要なものが、必要なだけの形をもち、必要な数だけ配置され、ミニマルなインテリアでまとめられています。無駄なものをそぎ落としたかのように見えますが、家具ひとつひとつは使いやすさが考え抜かれたフォルムをもっており、長時間過ごすのにも適し、また長年使っても飽きがこないでしょう。アレンジの可能性を秘めているのもポイントです。
Photo: ad hoc inc 志摩大輔
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