デッドスペースを出来るだけなくして、室内空間を有効に使いたいと誰もが思うはずです。しかし、そう思いながら間取りを考えていっても、実際に住んでみると無駄なスペースがあることに気付くことも多いようです。では、どのようなことに気を付けて家づくりをしていけばよいのでしょうか。そこで今回は、デッドスペースを生み出さないために間取り決めの前に是非知っておきたい事柄を紹介していきたいと思います。
デッドスペースとはそもそも何なのかについて、最初に簡単に説明しておきましょう。住宅におけるデッドスペースとは、その空間を活かすことが難しい使いづらい無駄なスペースのことです。階段下はその典型的な例ですが、プランニングで気を付けないとリビングやダイニングといった生活空間のど真ん中にも出来得ます。それでも、収納スペースとして使うことができるでしょうが、限られた室内空間を使いやすく有効利用していくためにも、できればデッドスペースは生み出したくないものです。
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※ 階段の写真ページ
では、どうしてデッドスペースが生まれてしまうのでしょうか。その一番の理由は、思い通りの住まいにしていくために、施主の要望通りにプランニングを進めていくからだと思います。もちろん要望を建築家に伝えていくことは大切ですが、その要望をしっかりとデッドスペースの生まれない使いやすく住みやすい間取りにまとめていくことが建築家には求められます。施主としては、要望が少し変更されても建築家のまとめた間取りを受け入れること、またそれにデッドスペースがあるかないかのチェックができるといいでしょう。
ここからは、どのようにデッドスペースがあるかないかをチェックしていく方法について見ていきます。皆さん図面を通してデッドスペースの有無あるいは間取りに問題がないかどうか確認していくと思いますが、その時に大切になるのが、間取り図に家具が描かれていることです。ソファや収納棚、テーブルなどをきちんと描き、寸法が分かれば正確にそれらの大きさも図面に反映していきましょう。
図面に家具を描き込んでデッドスペースの確認をしていくことも効果的ですが、そこにさらに動線を描き込んでいくとよりデッドスペースが分かりやすく浮き彫りになってきます。人の通り道である通路スペースは物を置かず開けたスペースにしておく必要があるため、その部分を図面上に描き込んでいくことで、家具や動線でもない空白の部分が出てきます。その部分がデッドスペースとなりますので、間取りを変更するなどしてデッドスペースを解消していきましょう。
【デッドスペースの有効活用については、こちらの記事でも紹介しています】
間取り図でデッドスペースをチェックしていくと、どうしても平面的な考察だけで終わってしまいます。もちろん、それでも空間を大きく有効活用していくことにつながりますが、出来れば高さ方向でもデッドスペースについて考えることで、立体的に空間の活用の仕方について確認できるとよりいいと思います。例えば、階段下や屋根裏であったり、和室の小上がりの床下などが有効活用していくことが可能な代表的なスペースとして挙げられます。