部分共用型の二世帯住宅を成功させるためのポイントまとめ

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
鹿児島の黒い家, 有島忠男設計工房 有島忠男設計工房 Eclectic style dining room Wood Wood effect
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部分共用型の二世帯住宅とは、玄関や水回りなどを共用しながらもリビングなど一部が別々に分かれているタイプのことですが、それぞれの世帯がプライベートな空間をしっかりと確保しながらも、二世帯がきちんと日頃からコミュニケーションをとることができ、お互いに助け合えるような二世帯住宅の魅力の詰まった二世帯住宅です。そこで今回は、この部分共用型の二世帯住宅を成功させるためのポイントを見ていきたいと思います。

部分共用型でも家族構成に合わせたプランニング

部分共用型の二世帯住宅を成功させるためにまず押さえておきたいポイントは、息子夫婦同居あるいは娘夫婦同居かでそれに合わせたプランニングをしていくことです。娘夫婦が同居する際は母親と娘が調理などの家事を助け合いながら暮らしていくかたちでも問題とならないことがほとんどであることから、キッチンなどを二世帯で共有するプランニングにしやすいでしょう。しかし、息子夫婦が同居する際は二人の主婦が家事において衝突してしまわないようにキッチンなどを別々にしてお互いのライフスタイルを尊重するようなプランニングにしていくといいでしょう。

写真:contrast

2つの世帯が孫とコミュニケーションを取りやすい部分共用型の間取り

二世帯住宅を選ぶ方の中には孫の子育てを親世帯に手伝ってもらいたいという方も多いと思います。こうしたことを上手く暮らしの中で実現させるためには、子世帯はもちろんのこと、親世帯も孫とコミュニケーションを取りやすいような間取りにしていきましょう。具体的には、親世帯が子世帯のリビングといったプライベート空間を介せずに孫の部屋に行けるようなかたちを取り入れてみて下さい。

お互いの生活音が騒音にならない工夫

二世帯住宅では親世帯と子世帯の生活スタイルの違いから、お互いの生活音が騒音に感じてしまう問題が生じがちです。夜中に玄関扉が閉まる音や足音、お風呂やトイレの水音も片方の世帯が寝ていると騒音になってしまう可能性があります。そうしたことから、玄関や水回りなどと各寝室を隣り合わせにしないような間取り、あるいはしっかりと壁や床・天井に遮音シートなどの騒音対策を講じていきましょう。

写真:岩浪 睦(Studio Rise)

共用スペースに贅沢にこだわる

部分共用型では二世帯が共有する空間に贅沢にこだわって計画してみて下さい。部分共用型の魅力は、二世帯の一部を共有することで、1つの空間を広くとることができることでもありますので、リビングの広さあるいは天井の高さを大きくとって、二世帯が快適に過ごせるような場所にしていきましょう。そうした共用スペースを充実させることにより、部分共用型を選んで正解だったと感じられると思います。

共用スペースの収納は二世帯分で計画

共用スペースについては収納スペースも二世帯分できちんと計画しておきましょう。部分共用型の場合、リビングや玄関などを共有することで、それぞれの部屋の大きさを比較的大きくとることができますが、そうした部屋の収納も親世帯と子世帯の物がしっかりと納められるように大きくしておきましょう。収納については、「暮らしを快適にする収納のアイデア15選」も是非参考にしてみて下さい。

写真:石井 紀久 Blitz Studio

二世帯が関わり合える玄関

部分共用型の二世帯住宅では、玄関を共有するという住まいも多いと思います。玄関での滞在時間は短いことから、そのままの一般的な玄関でも煩わしさを感じることは少ないでしょう。しかし、そうした単なる玄関ではなく、二世帯が関わり合えるような玄関にしてみることも考えてみて下さい。吹き抜けのある玄関で快適な空間にしてみるだけでもいいですし、こちらのCAICO ARCHITECT OFFICEが手掛けた住まいのように、玄関から建物の裏側まで続く土間を設けて、二世帯が上手にコミュニケーションを図れる空間をつくっていきましょう!

写真:Nacasa & Partners

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