300年の歴史が息づくスコットランドの小さな島の家

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The White House Isle of Coll: Experience Serenity and Luxury at The White House in Isle of Coll, WT Architecture WT Architecture Modern houses
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文化的、歴史的価値を持つ建物を保護する重要性は、幸いにも広く認識されています。何世紀にも渡って地域の風景と人類の変遷を目撃してきた建物、その遺産を保護することは私たちの歴史を理解することになります。しかし、荒廃状態の建物が多くあるのもまた事実です。 本日紹介するエディンバラの建築スタジオ WT Architectureが担当したのも、荒廃していた18世紀の建物でした。新しい居住者と連携し「感度と適切な判断」によって救出されたこの住宅は、スコットランド・コル島にあります。さっそく見ていきましょう!

18世紀の遺産

18世紀に建てられたこの建物は、21世紀となった現代でもその本質を失うこと無く、しっかりと大地に佇んでいます。主な構造は長年の自然の侵食や露出にもかかわらず無傷で、他の部分は回復不能な箇所もありましたが、撤去と補修作業を行い他のボリュームとの接続に成功しました。取り壊した箇所の古い壁材は他の箇所への建材へとリサイクルされ、不足部分はコル島で採掘される伝統的な石材が使用されました。写真で見ることができるように、石造りの古い建物の部分がユニークで印象的な外観を強調しています。

ガラスの接続部

この写真では、建物の近代的な部分を既存部分に接続するガラス張りのスペースを見ることができます。このスペースはリビングルームやダイニングルームが配され、美しい島の風景や水平線のパノラマビューを眺めることができる最高のスポットとなっています。リノベーション部分にはキッチンとマスターベッドルームが配され、接続部はバスルームやパントリー、いくつかの収納スペースを含んでいます。

テレビではなく望遠鏡を

室内を見ていきましょう。モダンなインテリアのリビングルームからは緑の丘と美しい海岸線を見渡すことができます。ソファの向かいにあるのはテレビ台ではなく、薪ストーブと望遠鏡!この壮大なパノラマビュー、探検気分で望遠鏡を覗きたくなってしまうのは子供だけではないはずです。小さなテレビ画面を見ているよりも何倍もの価値がありますよね。グレーを中心とした落ち着いた色調のインテリアは、薄いブルーやグリーンという柔らかな色調の風景とよく調和しています。

小さな書斎

こちらの小さな書斎は四方を木材パネルに囲まれており、狭くても圧迫感のない快適なスペースです。敢えて開口部は小さく設定し、仕事に集中したり、本の世界に浸るのにぴったりな書斎となりました。奥行きは浅くても壁に沿って設置された長いカウンターや、作り付けの棚で実用性もあります。

対照的な素材が作る特別な効果

こちらは既存建物の石壁と、ガラス製手すりとスチールフレームによる近代的な階段という対照的な組み合わせ。古代と現代、自然物と人工物というように様々な対照的な要素が組み合わさって、素晴らしい効果を生み出しています。このプロジェクトの本質を表しているスペースです。

オープンプランの室内

室内はオープンプランとなっており、空間が互いに相互作用しています。エリアを仕切る棚も、背板が無く中央を大きく空けたデザインで空間のつながりを遮断しません。ここは図書室であり、子供の遊び場であり、景色を眺める休憩スペースであり… 。子どもが想像力の翼を広げるのに最適な場所となっています。もちろん大人にとっても。

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