現代のライフスタイルが変化していることにより、近年の日本の住宅は大変多様なテイストが増えています。そのため私たちは、より自分に合った暮らし方やインテリアを選び、楽しむことができるようになりました。目新しい欧米的なテイストも増えつつある中ですが、昔ながらの日本的なテイストや暮らしも見直され、現代のライフスタイルに適したデザインへと進化しながら暮らしに取り入れられています。今回ご紹介するのは、京都に建つLOVE THE LIFEが手掛けた和モダンの住宅です。「ふつうの家 03」と名付けられたこの家は、現代的なデザインを取り入れつつ、素材やディテールに日本的な美しさを感じさせてくれます。
大きく軒の伸びたモダンな平屋の外観は、全体を黒を貴重とした落ち着いた色合いとされ、格子や軒桁などの無垢材が日本的な雰囲気を演出しています。直線的でバランスが取れたフォルムは凛とした雰囲気を感じさせ、古き良き日本の家の佇まいが生かされています。大きな掃き出し窓の外には踏み石が置かれ、自然のごつごつとした質感がこの家の雰囲気をより盛り立てています。深い軒があることで、窓のある面は縁側のような使い方をすることができ、内部と外部のちょうど間のような空間が現代の暮らしに新たなヒントを与えてくれることでしょう。
(C) Love the Life
玄関は、扉ひとつ分の幅で縦長に作られ、その細さを生かしながら奥行きを感じるように作られています。まるで昔ながらの日本住宅にあった通り土間のような雰囲気を思わせる趣のある玄関は、格子の玄関扉が光を通すことでとても柔らかく明るい光をもたらしています。無垢材や天井の素材、和紙などの日本的な風合いを感じる素材があしらわれ、手触りや匂いなども楽しむことができる空間です。見送る背中や、迎え入れる行動ひとつひとつがとても大切な時を刻む場所となります。
(C) Love the Life
この家の中心には、キッチンとその向かい側のカウンタースペースがまるで和モダンなカフェを思わせるように配置されています。力強い木目の、厚みのあるどっしりとした無垢材のカウンターが存在感と雰囲気を際立たせ、より上質さを感じる空間を提供しています。窓側は雪見障子があしらわれ、開けると外の景色が、閉めると和紙から透ける光で幻想的な雰囲気を楽しむことができます。間接照明や和紙のライティングによって、より居心地の良さを感じる空間となることでしょう。カウンター越しに会話をしながらのティータイムはここで過ごす時間を特別なものにしてくれるに違いありません。
(C) Love the Life
LDKの左右には、天井の高さを利用し、屋根裏空間として利用のできるロフトが配置されています。無垢材や自然素材を生かした天井の雰囲気と、天井勾配に沿って美しい光のグラデーションを作る空間は、コンパクトながらほっとした安らぎを得ることができます。梯子を使って登り降りをするという感覚も、秘密基地のようでワクワクするものです。家族の気配や会話を聞きながらすこし高い位置からこのLDKを見下ろす景色も、また趣き深い発見を得ることができるのではないでしょうか。
(C) Love the Life
外観から見てちょうど正面になる位置には、掃き出し窓の上に弓型の特徴的な窓が設置されています。水平的なラインを生かすためのバランスで設置されている窓の高さと、この弓型の窓が組み合わさることでこの空間により意匠的な変化を与え、やわらかなカーブが優しい印象を加えています。ここから室内の温かな灯りがこぼれ、夜の外観の落ち着いた雰囲気に彩りを添える役割も担います。このような日本的なデザインや素材が家の随所にあしらわれ、北欧デザインの家具を配置することで、温もりとモダンさが調和する絶妙な趣を感じる空間となっています。
(C) Love the Life
【平屋については、こちらの記事でも紹介しています】
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