コンクリートのデメリットと魅力について

Orie Kojima Orie Kojima
Style~大松通の世界軸~, 久保田英之建築研究所 久保田英之建築研究所 Modern houses
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鉄筋コンクリート造にこだわる方の多くは「丈夫な家を建てたい」という意見の方が多いようです。他にも遮音などの魅力もありますが、コンクリート打ちっぱなしの魅力はなんといってもやはりそのモダンな雰囲気の魅力でしょう。ですがコンクリート打ちっぱなしは空調面や換気、土地の調査等々、いくつか必ず考慮しなければいけない点があります。 これから10の建築物と共にコンクリート構造の魅力をちらりとのぞいてみましょう。

大きなコンクリート構造の広い家

有限会社 岩瀬アトリエ建築設計事務所によるこちらの家はハナミズキが美しい通りに面しており、モダンさと三角屋根の形が目を引く建築物です。梁のないダイナミックな構造となっています。 コンクリート打ちっぱなしにおける気になる暖房対策についてこちらのお部屋は薪ストーブによって暖が取れるようにしています。 薪ストーブは木造建築でしたら火事の危険性などがありますが、コンクリートはそもそも燃えない物質なので 安心して使うことができます。

集合住宅に似合うコンクリート

さてこちらは集合住宅のお部屋です。
それぞれのお部屋に合わせて赤、青、黄色などの色の扉が備え付けられており、 そんな各扉が似合うのもコンクリート造の建築物の一つの特徴かもしれません。 尚、こちらの建築物においては外断熱工法とし、外壁に沿ってワイヤーを吊るしそれに緑を這わせ、 屋上テラスには土を入れて屋上緑化しています。 こういった集合住宅ですと音の遮断についても気になってくると思いますので、 鉄筋コンクリート造は良いかもしれません。

モダンなキューブのデザイン住宅

ATELIER Mによるこちらのお部屋はどっしりとしたキューブの構造が安心感を与える空間となっており、地震の多い日本でもコンクリートの壁式工法はやはり耐震性には優れており、住む人に安心感を与えます。 どの部屋も窓が大きくとられており、換気面や光彩面についてもよく考えられていることがわかりますし、 モダン建築のデザインの美しさも兼ね備えています。 「美しい造形のために贅肉を徹底的に排除した」というデザイン上の考えを持ちつつ、 中庭にしっかりと植えられた植物が自然と共に生きていることを思い出させてくれます。

美しさとデザインの強さを感じる住宅

宮崎仁史建築設計事務所による品川の住宅は住宅同士が密集した中に佇むホワイトキューブのような家です。プライバシーのことも重視しつつも天井からの採光もしっかり行われており、 外見こそシンプルですが中は無機質な空間にさせない工夫が、ガレージの緑化、すべての階から空を眺められるような設計など、 各所に見られます。 無機質間だけではなく、延床面積80㎡の狭さを感じさせないよう、間仕切りを最小限にし、縦横に視線を届けることなどの 考慮もされています。 こういった小さい空間の中にも広く感じる工夫などが、コンクリートの重さをも感じさせないようにしているのかもしれません。

アトリエとコンクリート構造の組み合わせとは

かわつひろし建築工房よりこのコンクリート打ちっぱなしの仕上げと共にその空間に合わせた螺旋階段のある空間もご紹介します。実はこのお宅はアトリエ付きの住宅となっており、1階には教室もひらくことのできるアトリエと アトリエでつくられた盆栽の写真撮影が出来る格子柄のように畳が配置された和室も設計されています。 モダンの美しいデザインであれば和室を入れてもおかしくはなりませんし、こういったシックな階段もコンクリート壁でしたら 似合ってしまいます。 先にも述べましたがコンクリート造は音の遮断ができるため、 たとえ騒音が近くにあったとしても静かなアトリエを作ることは不可能ではありません。

安心を感じる家

秋山建築研究所のこちらの建築物からは、木とコンクリートのバランスのとり方等についてもご紹介したいと思います。
写真からもお分かりのようにコンクリートの冷たさなどは一切感じず、とてもあたたかな空間となっています。 コンクリート造の建築は強固な地盤があることが大変重要なのですが、 それをきちんと知った上でコンクリート構造の建築を作っています。 もしコンクリート構造の建築をこれから作られるのであれば、地盤についてを十分考えて作る建築家と出会うことは大変重要です。 こちらの住居はこういった災害についてやバリアフリーなど安心して暮らすことを目指しており、 多様な機能性を含めても、シンプルな内観を作り出しています。

密集した中に佇む隠れ家

久保田英之建築研究所によるこちらStyle~大松通の世界軸~は、名古屋の商店街の一角にわずか20坪の狭い土地に建てられています。内観も是非見ていただきたいのですが、この住宅の周りからは想像できないような内部空間が広がっています。 中にいるのに外にいるような雰囲気をも感じさせるこの面白い空間は、まるで隠れ家のようです。 この独特な空間の作り方はコンクリート構造の特徴をうまく利用しているように思います。 こちらに狭い敷地でも素敵に感じられる家を紹介した記事がありますので、ご紹介します。 狭い敷地でも広がりが感じられる5軒の家

シャープなラインの家

もう一つ、コンクリート構造の面白い空間をプライム建築都市研究所による、外神田の家からご紹介します。こちらはもっと生活観を感じさせる住宅ですがそれでもシンプルなデザインが施されており、 外観は家というよりも美術館のようなイメージを感じさせます。 建物自体の形に対して、ダイニングテーブルとキッチンを横並びに配置し、 階段やファンを取り付けることで縦構造でも無理のない空間を作り出しています。 こんなモダンな空間ですが段々畑のように屋上庭園が作ることで都市の中にすこしほっとさせるような癒しも取り入れられています。

プライバシーの確保と柔らかな施しのバランスを考えた家

半谷彰英建築設計事務所によるTender concreteの外観はランダムな木目が転写されたコンクリートの箱を浮かせて作られており、コンクリート構造の面白い表現の仕方をしていますのでご紹介いたします。 内観もコンクリートなのですが、中は外観に比べ驚くほど柔らかな空間を目指していることがわかります。 コンクリート打ちっぱなし部分とそれに白い塗料を重ねていることで、無機質を消す清潔感だけではなく、 そこで生活する人達のための柔らかな空間を作り出しています。

リノベーションによる木材とコンクリートの調和

蘆田暢人建築設計事務所によるこちらのリノベーションのお部屋は、コンクリートの冷たさを植物や木材がカバーするように絶妙に調和されており、雰囲気がとても魅力的です。 こちらの家のリノベーションに対する考えである、 「古いものを新しいもので覆い隠したりするのではなく、これまでの時間とこれからの時間を経ていく為のデザイン」 「部屋の用途を分けつつも風や光も一つの空間の中で共有する」 ことが、この調和の取れた空間を生み出している秘訣のようです。 写真 繁田諭(Satoshi Schigeta)

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