屋外を含めたスキップフロアでもっと広がりを「江津の住処」

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本日紹介する住宅があるのは熊本市の住宅密集地。土地は南北に細長い三角形で、その両側には道路と水路が接しているという中州の先端のような35坪の敷地です。決して条件が良いとは言えない敷地ですが、担当した岩瀬隆広建築設計は、敷地の先端が南方向、道路の延長上にあることから光・風・視線の抜けが常に確保できている。北方向に湖があり屋上からの眺望が期待できる、など土地が持つ利点を最大限に生かし悪条件を覆すような魅力的な住宅を実現させました。さっそく見ていきましょう。

​外観

外観はクライアントの希望(夫「黒色・シャープな素材」妻「白色・柔らかい素材」)がうまく生かされたスタイリッシュな印象。こちらの住宅は住宅密集地ならではの様々な配慮がされています。例えば、道路や隣家に近い部分の外壁は厚みのある重厚な塗り壁として騒音を防ぎ、生活スタイルの違う隣家へは夜間の明りの漏れを考慮した構造に。北側の隣家へは日照を配慮して道路から水路側へとセットバック(後退)するなど、住み手のためだけでなく周囲の環境にも配慮しています。

スキップフロア構成

室内はスキップフロアによる構成です。しかし単純に空間を分けるためのスキップフロアではなく、敷地の形状からくる圧迫感を解消するための様々な仕掛けがされています。床レベルの変化による空間の繋がり、俯瞰・仰視など視線をコントロールするデザインでより広がりを、プライバシー確保のための塀は二階にあるリビングの床から80cm低くすることで、座った時にちょうど視線が抜け開放感を感じることができます。床と塀の高さ、そして周辺環境の視線の高さを計算することで、プライバシーは守りつつ上に上がるほど開放された明るく広がりのある空間となっています。

屋外もスキップフロアに組み込む

室内外を含めたスキップフロアということがこの画像で分かると思います。塀の高さは3.4mですが、こちらのエントランステラスは地面から1m上げてあるので、一階の床が逆に下がって見えますね。一階からエントランステラス、そして二階へと曖昧に近付く距離感は視界に広がりを与えます。

床座とソファが一体化

こちらは妻の希望である床座と、夫の希望であるソファでの生活を同スペースで可能にした空間。視線が自然に交わるようにソファと畳の間、そしてローテーブルの高さを均等にしたのです。畳の間に高さがあるので床座だけでなく腰掛けることも可能。和室と洋間の良さを合体させた和魂洋才とでも呼ぶべき空間ですね。

多角的な機能

水路に面しているため豪雨の際の一時的な氾濫が懸念されますが、基礎を防水処理し船底のような器とすることで一時的な浸水の対策としています。また、昔ながらの気化熱を利用した打ち水による風の引込や、屋上家庭菜園などによる緑化などエコロジーな環境も取り入れられており、多角的な機能と構成を持った住宅と言えます。十分に周辺環境に配慮した設計ですが夜景はこんなにもドラマチックで魅力的。

【スキップフロアについては、こちらの記事でも紹介しています】

※ スキップフロアの知っておきたいメリット・デメリットまとめ 

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