シンプルな箱型に収まったユニークな家

Michiko JUTO Michiko JUTO
久保田正一建築研究所 Minimalist houses Metal White
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家は個人そのものを表現する器のようなもの。既成概念にとらわれず住み手が住みやすい、または理想のライフスタイルに近づけるような個性的な住まいというのもありえますよね。ご紹介するのは久保田正一建築研究所が設計を手がけた空間構成やキッチンがユニークな住宅です。眼下に街並を望む郊外の丘陵地に建てられた一見普通に見える住宅、さっそく見てみましょう。

シンプルな形態の適所に設けられた開口部

夕暮れ時の外観を見てましょう。箱型のボリュームを組み合わせたシンプルな形態とコンクリートで仕上げた庭空間から構成されるこの住まい、普通っぽい佇まいを見せていますが、道路との段差を利用してプライバシーに配慮しつつ適所に設けた開口がオープンな印象をもたらしています。

眺めの良い立地を生かしたプラン

遠くには街の光が瞬き、素敵な夜景が望めます。リビングを中心に角部屋から洩れる光でこの住まいも暗闇にそっと浮かび上がり同時にその輪郭は闇に溶け込んでいきます。

存在感のあるコンクリート製のキッチン

この家の最大の特徴とも言えるキッチンをご紹介します。ご覧の通りコンクリート製のカウンタートップと脚は基礎工事段階で打ち込まれたまさに建物と一体化したもの。床も防水と断熱処理が施されたコンクリート仕上げなので一体感がさらに増します。アイランド型の大きなスクウェアのカウンタートップのおかげで家族がみんなで料理をしたり、友達を呼んでパーティーをしたりと交流の場としての役割も果たすんです。クライアント自ら選んだお洒落なシンクやコンロ、さりげなく掛けられた鍋類などが熟れた感じで素敵ですよね。

自由な雰囲気がたまらないスタイリッシュなLDK

1階にはコンクリートのキッチンを含むLDKを配置。必要であればキッチンカウンターの周りに座ったりテレビの前に陣取ったりと椅子を移動し好きなところで好きなように過ごせるオープンな雰囲気がたまらない住まいです。モノトーンとグレーで統一された空間は冷たい雰囲気になりがちですが、あえて無機質なコンクリートの質感や経年変化を楽しんだり、選び抜かれたスタイリッシュな家具を設えて自分たちのライフスタイルを大切にしている様子が伝わってきそうなインテリアです。

有機的なフォルムの螺旋階段

黒のスチールフレームとしなやかさを持ち合わせた木のステップで構成される螺旋階段がクールな印象の空間を和らげるとともに、上下階を緩やかに繋ぎます。オープンな階段周りを介してそれぞれの階に光や空気が伝わり、さらに一体感を感じさせる住空間です。「プールのあるラグジュアリーなコートハウス」でも螺旋階段を採用しているので、是非ご覧ください。

2階もワンルーム型のプランを採用

この家のもう一つの特徴として家族の絆を大切にしたいというクライアントの要望に応えて、あえてプライベートな空間を作らずワンルーム型のフリースペースを2階に設けています。簡単そうで簡単ではない家族の距離感のあり方にチャレンジするような住まい、外部からは想像できないユニークな間取りを採用しています。ダークな色合いの床と白い壁や天井で構成されるクールな空間とは対照的に、カラフルな子どもたちの遊び道具や家具が程よいアクセントになっています。入念に計画された多様な開口は周囲の環境を程よく取り入れ、また空間に広がりを与えてくれます。

気分をあげてくれるカラーを取り入れる

主要な生活空間のモノトーンのイメージとは打って変わって小さなスペースであるトイレにはビビッドなブルーを採用。メリハリのあるインテリアが気分をあげてくれます。センスの光るディテールや小物、カラーコーディネートなど是非参考にしてみてはいかがでしょう。

既成概念にとらわれない住まいづくりを目指そう

コンクリート仕上げの室内床やキッチンカウンター、そして庭空間もコンクリート敷きですが、RC造ではなく木造住宅なんです。構造とインテリアのハイブリッドな関係を追求し実践し、普通っぽいのに実は既成概念に捕らわれずにデザインした唯一無二の住まいはクライントの理想とする家族関係をも表現しています。あえて植栽も排除した周辺環境とこの住宅のバッファーゾーンとしての庭は友人たちと過ごすためのパーティ—スペースでもあるユニークな外部空間なんです。


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